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2013年の美術市場を振り返ると

 2013年は2012年に比べて、オークションが大きく売上を伸ばした年でした。BLOUIN ARTINFOの記事をざっくりと訳してご紹介します。原文はコチラ

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Auction Sale Of Real Estate NYPL DIGITAL COLLECTIONS

 

 
Contemporary art sales were on a tear throughout the year, and the high prices seen in the spring auctions in New York were just a prelude to the fall, when most of the record prices in the year's top 20 lots were achieved. A wealth of rare-to-market works by in-demand Postwar and contemporary artists like Francis Bacon, Jeff Koons, and Andy Warhol made for scores of eight-figure sales, and Sotheby’s and Christie’s could each boast a $100-million-plus work at the top of its evening contemporary sale last month. Although most of the top selling contemporary lots were seen at spring and fall auctions in New York over the past year, one top price, the $23.3 million result for for Zeng Fanzhi's "The Last Supper" (2001) was achieved at Sotheby's Hong Kong in a sale held October 5.
 2013年、現代美術の売上は一年を通してバカ騒ぎだったようです。ニューヨークの春場所で見られた数々の高額落札は、秋場所のための序章にすぎなかったわけです。というのも年間トップ20の売上の殆どは秋場所で見られたわけですからね。需要があるのになかなか市場に出てこない戦後・現代アート、とりわけフランシス・ベーコンやジェフ・クーンツ、アンディー・ウォーホルなんかがなんと8桁の高額で取引されたんです。サザビーズもクリスティーズも11月の現代アートのイブニングセールで一億ドルも売上げたんですよ。現代アートのほとんどの高額落札はニューヨークの春・秋場所で出たわけですけれど、2330万ドルのZeng Fanzhi's "The Last Supper(最後の晩餐)" (2001)は10月5日の香港で出ました。
 
Even as astonished observers wondered whether such results could continue, Brett Gorvy, Christie’s worldwide head of Postwar and contemporary art, asserted, “this isn’t a bubble, it’s the beginning of something new.” The house, which had already turned heads in the spring with a $495 million evening sale of contemporary art, managed to top that with a $691.6 million comparable in November.
 びっくり仰天している傍観者が、こんな高値の落札がいつまでも続くものかしらんなんて考えていたその時、クリスティーズの戦後・現代アート部門トップのBrett Gorvyさんは「これはバブルなんかじゃない。新しい何かの始まりだ。」と断言しました。2013年上半期で既に4億9500万ドルの現代アートを売りまくって注目を集めていたクリスティーズは、下半期も終わってみればさらに6億9160万ドルも売り上げていたんです。
 
Both Christie's and Sotheby's saw robust growth this year; Christie’s New York contemporary sales rose to $1.4 billion in 2013, from $973.5 million in 2012; Sotheby’s 2013 tally for major New York sales also rose sharply, to $851.7 million from $794.7 million in 2012.
 クリスティーズもサザビーズも今年は活発な成長が見られました。クリスティーズ・ニューヨークの現代アート部門は2012年の9億7350万ドルから2013年は14億ドル。サザビーズもニューヨークの主要なセールで2012年の7億9470万ドルから2013年は8億5170万ドルまで売上を伸ばしました。

1930年 パリ・オペラ座のバレリーナ

バレエ「白鳥の湖」の稽古をするバレリーナ。

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 この一連の写真はアメリカの報道写真家、アルフレッド・アイゼンスタット(Alfred Eisenstaedt)によって撮影されました。舞台は1930年のパリ・オペラ座、リハーサル室。客席から見上げるシャガールの天井画のさらに上の階に、現在もリハーサル室は存在するそうです。 1928年に写真家として活動を始めたアルフレッド・アイゼンスタットは、1934年にはヒトラーとムッソリーニの会談を記録した数少ない写真家となりますが、ユダヤ人であった彼はナチスによる迫害を免れるため、1935年、アメリカに移住します。

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 その後、LIFE誌の専属カメラマンとなり、マリリン・モンローやヘミングウェイ、ソフィア・ローレンなど、多くの著名人の肖像写真を撮ります。

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 彼の最も有名な写真は『Legendary kiss V–J day in Times Square(勝利のキス)』でしょう。1945年8月14日、連合国軍の勝利による第二次世界大戦終結を喜び合う群衆の中で、看護婦と水兵がキスをしている瞬間をとらえた写真です。

 

 アルフレッド・アイゼンスタットが写真家として駆け出しの頃に撮影したこれらの一連の踊り子の写真はあまり知られていないそうですが、1930年のパリといえば、1929年の世界大恐慌をきっかけに保守的になっていた時代。ベル・エポックと呼ばれた華やかな時代が終わり、1914年の第一次世界大戦を経験し、1920年代の狂乱の時代を超えた社会。 オペラ座の踊り子たちが一望のもとに見渡したパリは、一体どのような風景だったのでしょうね。

 
 
 
 
 
 

アントニー・ゴームリー、ナイト爵位受章

 英国の勲章制度の一つであるNew Years Honors。2014年の受章者の一人、アントニー・ゴームリー(現代彫刻家)に関するBLOUIN ARTINFOの記事の対訳です。ゴームリーのインタビューはBBCの動画が分かりやすいです。 今日の英国を代表する彫刻家・ゴームリーですが、日本では新潟県十日町で『もうひとつの特異点』や箱根彫刻の森美術館で『密着』などの作品を見ることが出来ます。

アントニー・ゴームリー オフィシャルサイト

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BIG GUT, 2013